やさしいウソ バスの来ないバス停

やさしいウソ バスの来ないバス停

 
認知症は年々増えています

あいあい介護相談めいわでは、普通の民家を自宅兼ケアマネジャーの事務所として使っています。
その前は、空き家でした。少しでも荒れていかない様に時々手入れをしていましたら、同じところをグルグル回ったり他人の敷地に出たり入ったりと
怪しい動きをされている年配の方をお見掛けしました。声をかけますと、近所に住んでいると云われるのですが、あきらかに道に迷っています。
不審がられない様に後ろについていきますと、ようやくこの人を知っている人が現れ、結果的にはお隣の団地に住んでいる方でした。

実際に使われていたバス停の看板を置きます

認知症の高齢者を落ち着かせる“優しいウソ”をつかせていただきます。「昔住んでいた家は無い」「一人暮らしで家族は遠方に住んでいる」人なのに
「家族に会いに行きたい」「家に帰りたい」と自宅を出てしまい、自分の能力では帰宅できない人が増えています。そんな時に、その目的地にたどり着けるかも知れないバス停があれば、行方不明になることを防ぐことが出来るかも知れません。ベンチも置く予定ですので、来ることが無いバスを待ちながら
自分が何をしたかったのか忘れてしまうことが出来たら、バス停を設置する意味があるのだと思います。
また、以前私が勤務していた施設にて「私は帰ります!」と突然怒りだして、施設の玄関から飛び出していった方が居ました。自宅までは2km以上。
歩くにはとても遠い道のりでしたが、一人で帰らせる訳にはいきません。何を言っても話を聞いてくれませんでしたので、結局一緒に自宅まで歩いたことがありました。もしそんな時にバスの来ないバス停があったら、ちょっと休憩してもらえて、バスではないけれど準備した施設の車に乗って貰えたかもしれません。そういうのにも活用できたら良いのにと思っています。

この運動は当社のオリジナル運動ではありません

もともとはドイツが発祥の地だそうです。かつて使用されていた本物のバス停を譲渡していただける企業さまのおかげで、介護施設や認知症カフェなどで行っている「優しいウソ」の輪は、日本でも県外の企業や団体へと広がりを見せています。実はそんな活動があることは去年まで知りませんでした。
たまたまテレビの特集でこういった活動を知り、当事業所でも参加してみたいと思いました。
実際に使われなくなったバス停の看板を当方もある交通会社から頂戴することができましたので、令和6年4月1日 エイプリルフールに設置いたしました。(企業さまの意向で企業名は伏せさせていただきます)